建築知識!!ALVSを計算してみよう!確認申請で必要な知識!!採光計算と同じなの?

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ALVSとは

建築基準法では、居室の床面積に対して採光、換気、排煙に有効な開口面積が確保されているかを計算する必要があります。

この計算のことを略してALVSと呼んだりします。

A(Area):室床面積
L(Light):有効採光計算
V(Ventilation):換気計算
S(Smoke):排煙計算

それでは、計算してみましょう。

LVS計算

下図のAW1~AW5の建具について、計算していきます。

1階平面図
2階平面図

L(Light):有効採光計算

採光面積は用途地域に応じた係数α、β、Dにより採光補正係数を求めて有効採光面積を計算します。

今回は、住居系地域の係数を用いて計算します。

用途地域1/DαβD
住居系地域 1/761.47m
工業系地域 1/5815m
商業系地域
無指定地域
 1/41014m
採光補正係数の修正値

下図のAW1とAW2の断面図から、水平距離dと窓の中心からの垂直距離Hを求めます。

AW1 断面図
AW 断面図

AW1の窓の大きさは、W1.65xH2.00=3.30㎡、d=2,567、H=2,020。
AW2の窓の大きさは、W1.65xH0.30=0.50㎡、d=1,903、H=3,748となります。

居室(LDK)の床面積28㎡、住居系地域の採光補正係数の修正値より、
下表にまとめると採光の有効面積計は、10.71㎡となります。

      割合 建具         採光補正係数 採光有効面積(㎡)      
階数 部屋名 床面積
(㎡)
住居系
地域
記号 W(m) H(m) 開口面積
(㎡)
水平距離
(m)
垂直距離
(m)
住居系 住居系 計算値 採用値 計算値 合計   必要
面積
(㎡)
判定
    ②=1/D       ③=WxH h α β A=
d/h×α-β
A’ ③×A’     ①×②  
1階 LDK 28  1/7 AW1 1.65 2.00 3.30 2.567 2.020 6 1.4 6.22 3.00 9.90 10.71 4.00
AW2 1.65 0.30 0.50 1.903 3.748 1.64 1.64 0.81

下図のAW3とAW4の断面図から、水平距離dと窓の中心からの垂直距離Hを求めます。

AW3 断面図
AW4 断面図

AW3の窓の大きさは、W1.65xH2.00=3.30㎡、d=4,236、H=1,698。
AW4の窓の大きさは、W1.65xH1.10=1.82㎡、d=1,570、H=1,248となります。

居室(寝室)の床面積16㎡、住居系地域の採光補正係数の修正値より、
下表にまとめると採光の有効面積計は、15.34㎡となります。

      割合 建具         採光補正係数 採光有効面積(㎡)      
階数 部屋名 床面積
(㎡)
住居系
地域
記号 W(m) H(m) 開口面積
(㎡)
水平距離
(m)
垂直距離
(m)
住居系 住居系 計算値 採用値 計算値 合計   必要
面積
(㎡)
判定
    ②=1/D       ③=WxH h α β A=
d/h×α-β
A’ ③×A’     ①×②  
2階 寝室 16  1/7 AW3 1.65 2.00 3.30 4.236 1.698 6 1.4 13.56 3.00 9.90 15.34 2.28
AW4 1.65 1.10 1.82 1.570 1.248 6.14 3.00 5.44

下図のAW5の断面図から、水平距離dと窓の中心からの垂直距離Hを求めます。

AW5 断面図

AW5の窓の大きさは、W1.65xH1.10=1.82㎡、d=2,570、H=1,248となります。

居室(寝室)の床面積15㎡、住居系地域の採光補正係数の修正値より、
下表にまとめると採光の有効面積計は、5.44㎡となります。

      割合 建具         採光補正係数 採光有効面積(㎡)      
階数 部屋名 床面積
(㎡)
住居系
地域
記号 W(m) H(m) 開口面積
(㎡)
水平距離
(m)
垂直距離
(m)
住居系 住居系 計算値 採用値 計算値 合計   必要
面積
(㎡)
判定
    ②=1/D       ③=WxH h α β A=
d/h×α-β
A’ ③×A’     ①×②  
2階 子供室 15  1/7 AW5 1.65 1.10 1.82 2.570 1.248 6 1.4 10.95 3.00 5.44 5.44 2.14

これで採光有効面積が求まりました。

V(Ventilation):換気計算

居室には、原則として床面積の1/20以上の換気に有効な開口部を設ける必要があります。
1/20以上の開口部があるか計算してみましょう。

AW2は横滑り窓なので、倍率は『1』。それ以外は引違窓なので、倍率は『1/2=0.5』です。

窓形式による倍数

はめ殺し:0、引違い:1/2、3枚引違い:2/3、片引き:1/2、両開き:1、上げ下げ:1/2

        建具   換気有効面積(㎡)      
階数 部屋名 床面積
(㎡)
割合 記号 W(m) H(m) 開口面積
(㎡)
窓形式
による倍率
計算値 合計   必要
面積
(㎡)
判定
          ③=WxH ③×A     ①×②  
1階 LDK 28  1/20 AW1 1.65 2.00 3.30 0.50 1.65 2.14 1.40
AW2 1.65 0.30 0.50 1.00 0.49
2階 寝室 16  1/20 AW3 1.65 2.00 3.30 0.50 1.65 2.55 0.80
AW4 1.65 1.10 1.82 0.50 0.90
2階 子供室 15  1/20 AW5 1.65 1.10 1.82 0.50 0.90 0.90 0.75

これで換気有効面積が求まりました。

S(Smoke):排煙計算

居室には、原則として床面積の1/50以上の排煙に有効な開口部を設ける必要があります。

今回は、2階建ての住宅なので、排煙設備(窓)は要求されませんが、計算してみます。

天井の下方80cm以内にある開口部の面積が床面積の1/50以上あるか、計算しましょう。

窓形式による倍数

はめ殺し:0、引違い:1/2、3枚引違い:2/3、片引き:1/2、両開き:1、上げ下げ:1/2


下図のAW1とAW2の断面図から、天井の下方80cm以内にある開口部の有効内法高さを求めます。

AW1 断面図
AW2 断面図

有効内法高さは、AW1は0.4m、AW2は0.3mとなり、下表にまとめると換気の有効面積計は、0.82㎡となります。

階数 部屋名 床面積
(㎡)
割合 記号 W(m) 有効
内法高
H(m)
開口面積
(㎡)
窓形式
による倍率
換気
有効面積
(㎡)
有効
面積計
(㎡)
  必要面積
(㎡)

          ③=WxH   ③×A’     ①×②  
1階 LDK 28  1/50 AW1 1.65 0.40 0.66 0.50 0.33 0.82 0.56
AW2 1.65 0.30 0.50 1.00 0.49

下図のAW3とAW4の断面図から、天井の下方80cm以内にある開口部の有効内法高さを求めます。

AW3 断面図
AW4 断面図

有効内法高さは、AW3は0.4m、AW4は0.4mとなり、下表にまとめると換気の有効面積計は、0.66㎡となります。

階数 部屋名 床面積
(㎡)
割合 記号 W(m) 有効
内法高
H(m)
開口面積
(㎡)
窓形式
による倍率
換気
有効面積
(㎡)
有効
面積計
(㎡)
  必要面積
(㎡)

          ③=WxH   ③×A’     ①×②  
2階 寝室 16  1/50 AW3 1.65 0.40 0.66 0.50 0.33 0.66 0.32
AW4 1.65 0.40 0.66 0.50 0.33

下図のAW5の断面図から、天井の下方80cm以内にある開口部の有効内法高さを求めます。

AW5 断面図

有効内法高さは、AW5は0.4mとなり、下表にまとめると換気の有効面積計は、0.33㎡となります。

階数 部屋名 床面積
(㎡)
割合 記号 W(m) 有効
内法高
H(m)
開口面積
(㎡)
窓形式
による倍率
換気
有効面積
(㎡)
有効
面積計
(㎡)
  必要面積
(㎡)

          ③=WxH   ③×A’     ①×②  
2階 子供室 15  1/50 AW5 1.65 0.40 0.66 0.50 0.33 0.33 0.30

最後に

ALVSについて、計算しました。

どうだったでしょうか。掛け算や割り算、足し算で計算できたので簡単だったのではないでしょうか。

確認申請する際に、ALVSの計算は必須ですので挑戦してみましょう。

↓この本も参考にしています。

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