木造 初めての壁量計算⑤(柱頭・柱脚接合部のN値計算)

スポンサーリンク

はじめに

壁量計算①②、③or④により、耐力壁に問題がないことがわかれば、次は柱頭・柱脚の引き抜き力について検討します。

なぜ、引き抜き力の検討が必要かというと阪神・淡路大震災の地震被害調査や振動実験により、柱頭・柱脚の接合部の耐力が不十分な場合には、柱が浮き上がって外れてしまうことが明らかになったためです。

引き抜き力の接合方法は、『計算を用いない方法』と『N値計算』で検討する必要があります。

今回はN値計算にて検討します。

※地盤調査の標準貫入試験によって求めるN値(土の締まり具合や強度を求める基準となる数値)とは、別物ですので気を付けてください。

↓この本も参考にしています。

N値計算とは

耐力壁の倍率から簡易的に引張力を算定し、それに適した金物を選ぶ方法をN値計算と言います。

柱に生じる引張力を接合部倍率として表し、引張力を1.96KN/m(壁倍率1)×2.7m(標準壁高さ)=5.3KNで除した数値となります。

この数値に基いて、適合した金物を設置するなど柱頭・柱脚接合部の検討を行っていきます。

計算式は2種類あり、計6パターンのケースが考えられます。

①平屋の柱、2階建ての2階の柱:2パターン

N≧A1×B1-L

N :接合部倍率の数値
A1:当該柱の両側における軸組の壁倍率の差。筋かいの場合は補正値を加える
B1:出隅0.8,その他0.5(梁や桁の曲がらないようにがんばる抵抗力)
L :出隅0.4、その他の場合0.6(床や屋根の重量による押さえ込み効果)

まとめると2パターンになります。

①-1 出 隅:A1×0.8-0.4
①-2 その他:A1×0.5-0.6

②2階建ての1階の柱:4パターン

N≧A1×B1+A2×B2-L

A1、B1は①に同じ。

A2:当該柱の上の2階柱両側における軸組の壁倍率の差。筋かいの場合は補正値を加える
B2:当該柱の上の2階 出隅0.8,その他0.5
L :出隅1.0、その他の場合1.6 ※Lは1階の柱の種類で判断する

まとめると4パターンになります。

②-1 出 隅(1階、2階共):A1×0.8+A2×0.8-1.0
②-2 その他(1階、2階共):A1×0.5+A2×0.5-1.6
②-3 出隅(1階)+その他(2階):A1×0.8+A2×0.5-1.0
②-4 その他(1階)+出隅(2階):A1×0.5+A2×0.8-1.6

求めたN値から下表の継手と仕口を決定します。

記号N値必要耐力
(KN)
継手・仕口の仕様
0.00以下0短ほぞ差し 又は かすがい打ち
0.65以下3.4長ほぞ差し込み栓 又は かど金物CP-L
1.00以下5.1かど金物CP-T 又は 山形プレートVP
1.40以下7.5羽子板ボルト 又は 短ざく金物(スクリュー釘なし)
1.60以下8.5羽子板ボルト 又は 短ざく金物(スクリュー釘あり)
1.80以下1010KN引き寄せ金物
2.80以下1515KN引き寄せ金物
3.70以下2020KN引き寄せ金物
4.70以下2525KN引き寄せ金物
5.60以下3015KN引き寄せ金物×2個
接合金物仕様

N値計算(2階)

それでは計算していきましょう。


まずは、計算パターン2つの2階から計算します。

下図はY7通りの耐力壁と軸組図を表しています。

Y7通り 1階耐力壁
Y7通り 階耐力壁
Y7通り軸組図

2階の柱番号42~50を計算します。

1.まず、出隅柱かその他柱か確認します。42と50は出隅柱となります。

2.次に、『A1:当該柱の両側における軸組の壁倍率の差』を確認します。
柱の左右の壁倍率の差なので、42と50以外は『0』となります。42と50は『2.5』となります。

3.面材の耐力壁なので、筋かいの補正値は『0』となります。

Y方向も同じように確認します。

これらの数値を下記の計算式に代入し、計算します。

N≧A1×B1-L

数値をまとめて計算したものが下表になります。

      X方向 Y方向  採用  
柱番号 柱位置 2階 壁倍率         2階 壁倍率         ①②の大きい方  
2   X Y 出隅 補正値 A1 B1 L1 N値 出隅 1 2 補正値 A1 B1 L1 N値 N値 記号
  42 0 7 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.4 1.60 2.5 0.0 0 2.5 0.8 0.4 1.60 1.60
  43 1 7 × 2.5 2.5 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 -0.60
  44 2 7 × 2.5 2.5 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 -0.60
  45 3 7 × 2.5 2.5 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 -0.60
  46 4 7 × 2.5 2.5 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 -0.60
  47 5 7 × 2.5 2.5 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 -0.60
  48 6 7 × 2.5 2.5 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 -0.60
  49 7 7 × 2.5 2.5 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 -0.60
  50 8 7 2.5 0.0 0 2.5 0.8 0.4 1.60 2.5 0.0 0 2.5 0.8 0.4 1.60 1.60

下図はY0、Y2通りの耐力壁と軸組図を表しています。

Y0、Y2通り 1階耐力壁
Y0、Y2通り 2階耐力壁
0、Y2通り軸組図

2階の柱番号6~10、14~18を計算します。

1.まず、出隅柱かその他柱か確認します。6と10と14は出隅柱となります。

2.次に、『A1:当該柱の両側における軸組の壁倍率の差』を確認します。
柱の左右の壁倍率の差は、14,15,16,17,6,10は『2.5』となります。8,9,18は『0』となります。

3.面材の耐力壁なので、筋かいの補正値は『0』となります。

Y方向も同じように確認します。

これらの数値を下記の計算式に代入し、計算します。

N≧A1×B1-L

数値をまとめて計算したものが下表になります。

      X方向 Y方向 採用  
柱番号 柱位置 2階 壁倍率         2階 壁倍率         ①②の大きい方  
2   X Y 出隅 補正値 A1 B1 L1 N値 出隅 1 2 補正値 A1 B1 L1 N値 N値 記号
  6 5 0 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.4 1.60 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.4 1.60 1.60
  8 6 0 × 2.5 2.5 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 -0.60
  9 7 0 × 2.5 2.5 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 -0.60
  10 8 0 2.5 0.0 0 2.5 0.8 0.4 1.60 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.4 1.60 1.60
  14 0 2 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.4 1.60 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.4 1.60 1.60
  15 1 2 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5 0.6 0.65 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 0.65
  16 3 2 × 0.0 2.5 0 2.5 0.5 0.6 0.65 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 0.65
  17 4 2 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5 0.6 0.65 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 0.65
  18 5 2 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5 0.6 0.65 0.65

下図はX8通りの耐力壁と軸組図を表しています。

X8通り 1階耐力壁
X8通り 2階耐力壁
X8通り軸組図

2階の柱番号10、13、20、29、37、41、50を計算します。

1.まず、出隅柱かその他柱か確認します。10と50は出隅柱となります。

2.次に、『A1:当該柱の両側における軸組の壁倍率の差』を確認します。
柱の左右の壁倍率の差は、110,20,29,50は『2.5』となります。13,37,41は『0』となります。

3.面材の耐力壁なので、筋かいの補正値は『0』となります。

X方向は先ほど検討しましたが、念のため同じように確認します。

これらの数値を下記の計算式に代入し、計算します。

N≧A1×B1-L

数値をまとめて計算したものが下表になります。

      X方向 Y方向 採用  
柱番号 柱位置 2階 壁倍率         2階 壁倍率         ①②の大きい方   
2   X Y 出隅 補正値 A1 B1 L1 N値 出隅 1 2 補正値 A1 B1 L1 N値 N値 記号
  10 8 0 2.5 0.0 0 2.5 0.8 0.4 1.60 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.4 1.60 1.60
  13 8 1 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 2.5 2.5 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 -0.60
  20 8 2 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5 0.6 0.65 0.65
  29 8 4 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 0.0 2.5 0 2.5 0.5 0.6 0.65 0.65
  37 8 5 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 2.5 2.5 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 -0.60
  41 8 6 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 2.5 2.5 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 -0.60
  50 8 7 2.5 0.0 0 2.5 0.8 0.4 1.60 2.5 0.0 0 2.5 0.8 0.4 1.60 1.60

下図はX0、X5通りの耐力壁と軸組図を表しています。

X0、X5通り 階耐力壁
X0、X5通り 2階耐力壁
X0、X5通り軸組図

2階の柱番号6,12,14,18、21,26,38,42を計算します。

1.まず、出隅柱かその他柱か確認します。6と14と42は出隅柱となります。

2.次に、『A1:当該柱の両側における軸組の壁倍率の差』を確認します。
柱の左右の壁倍率の差は、6,14,18、26,38,42は『2.5』となります。12,21は『0』となります。

3.面材の耐力壁なので、筋かいの補正値は『0』となります。

X方向は先ほど検討しましたが、念のため同じように確認します。

これらの数値を下記の計算式に代入し、計算します。

N≧A1×B1-L

数値をまとめて計算したものが下表になります。

      X方向 Y方向 採用  
柱番号 柱位置 2階 壁倍率         2階 壁倍率          ①②の大きい方  
2   X Y 出隅 補正値 A1 B1 L1 N値 出隅 1 2 補正値 A1 B1 L1 N値 N値 記号
  6 5 0 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.4 1.60 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.4 1.60 1.60
  12 5 1 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 2.5 2.5 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 -0.60
  14 0 2 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.4 1.60 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.4 1.60 1.60
  18 5 2 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5 0.6 0.65 0.65
  21 0 3 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 2.5 2.5 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 -0.60
  26 0 4 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5 0.6 0.65 0.65
  38 0 6 × 0.0 0.0 0 0.0 0.5 0.6 -0.60 × 0.0 2.5 0 2.5 0.5 0.6 0.65 0.65
  42 0 7 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.4 1.60 2.5 0.0 0 2.5 0.8 0.4 1.60 1.60

以上より、2階のN値計算により接合金物が決まりました。

N値計算(1階)

1階のN値計算は、下記計算式の6パターンで計算します。
平屋部分は①の式、2階建て部分は②の式に当てはめていきます。

1階と2階の柱が一致しない場合は、上下の柱のズレが1m以内の場合は上下一致しているものとみなします。また、1m以内に複数の柱がある場合は壁倍率の大きい柱を上下一致しているものとみなします。

①-1 出 隅:A1×0.8-0.4
①-2 その他:A1×0.5-0.6
②-1 出 隅(1階、2階共):A1×0.8+A2×0.8-1.0
②-2 その他(1階、2階共):A1×0.5+A2×0.5-1.6
②-3 出隅(1階)+その他(2階):A1×0.8+A2×0.5-1.0
②-4 その他(1階)+出隅(2階):A1×0.5+A2×0.8-1.6

それでは計算していきましょう。


下図はY7通りの耐力壁と軸組図を表しています。

Y7通り 1階耐力壁
Y7通り 階耐力壁
Y7通り軸組図

1階の柱番号42~50を計算します。

1.まず、出隅柱かその他柱か確認します。42と50は出隅柱となります。

2.次に、『A1:1階の当該柱の両側における軸組の壁倍率の差』を確認します。
柱の左右の壁倍率の差なので、42と50以外は『0』となります。42と50は『2.5』となります。

3.面材の耐力壁なので、筋かいの補正値は『0』となります。

4.次に、『A2:2階の当該柱の両側における軸組の壁倍率の差』を確認します。
柱の左右の壁倍率の差なので、42と50以外は『0』となります。42と50は『2.5』となります。

5.面材の耐力壁なので、筋かいの補正値は『0』となります。

Y方向も同じように確認します。

これらの数値を下記の計算式に代入し、計算します。

N≧A1×B1+A2×B2-L

数値をまとめて計算したものが下表になります。

      X方向 Y方向 採用  
柱番号 柱位置 1階 壁倍率       2階 壁倍率           1階 壁倍率       2階 壁倍率           ①②の大きい方   
1   X Y 出隅 補正値 A1 B1 出隅 補正値 A2 B2 L1 L2 N 出隅 補正値 A1 B1 出隅 補正値 A2 B2 L1 L2 N N値 記号
  42 0 7 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.0 2.5 0 2.5 0.8 1 0.4 3.00 2.5 0.0 0 2.5 0.8 2.5 0.0 0 2.5 0.8 1 0.4 3.00 3.00
  43 1 7 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5 × 2.5 2.5 0 0 0.5 1.6 0.6 -0.35 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 -0.35
  45 3 7 × 0.0 2.5 0 2.5 0.5 × 2.5 2.5 0 0 0.5 1.6 0.6 -0.35 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 -0.35
  46 4 7 × 2.5 2.5 0 0 0.5 × 2.5 2.5 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 -1.60
  47 5 7 × 2.5 2.5 0 0 0.5 × 2.5 2.5 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 -1.60
  48 6 7 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5 × 2.5 2.5 0 0 0.5 1.6 0.6 -0.35 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 -0.35
  49 7 7 × 0.0 2.5 0 2.5 0.5 × 2.5 2.5 0 0 0.5 1.6 0.6 -0.35 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 -0.35
  50 8 7 2.5 0.0 0 2.5 0.8 2.5 0.0 0 2.5 0.8 1 0.4 3.00 2.5 0.0 0 2.5 0.8 2.5 0.0 0 2.5 0.8 1 0.4 3.00 3.00

下図はY0、Y2通りの耐力壁と軸組図を表しています。

Y0、Y2通り 1階耐力壁
Y0、Y2通り 2階耐力壁
0、Y2通り軸組図

1階の柱番号1~10を計算します。

1.まず、出隅柱かその他柱か確認します。1と10は出隅柱となります。

2.次に、『A1:1階の当該柱の両側における軸組の壁倍率の差』を確認します。
柱の左右の壁倍率の差なので、9以外は『2.5』となります。9は『0』となります。

3.面材の耐力壁なので、筋かいの補正値は『0』となります。

4.次に、『A2:2階の当該柱の両側における軸組の壁倍率の差』を確認します。
6の柱は1階の柱と一致しないため、1m以内の1階の柱に2階の柱があるものとして計算します。
柱の左右の壁倍率の差なので、8と9は『0』となります。6と10は『2.5』となります。

5.面材の耐力壁なので、筋かいの補正値は『0』となります。

Y方向も同じように確認します。

これらの数値を下記の計算式に代入し、計算します。

N≧A1×B1+A2×B2-LN≧A1×B1-L

数値をまとめて計算したものが下表になります。

      X方向 Y方向 採用  
柱番号 柱位置 1階 壁倍率       2階 壁倍率           1階 壁倍率       2階 壁倍率           ①②の大きい方  
1   X Y 出隅 補正値 A1 B1 出隅 補正値 A2 B2 L1 L2 N 出隅 補正値 A1 B1 出隅 補正値 A2 B2 L1 L2 N N値 記号
1 1 0 0 0.0 2.5 0 2.5 0.8       0 0.5 1 0.4 1.60 0.0 2.5 0 2.5 0.8       0 0.5 1 0.4 1.60 1.60
  2 1 0 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5       0 0.5 1.6 0.6 0.65 × 0.0 0.0 0 0 0.5       0 0.5 1.6 0.6 -0.60 0.65
  3 3 0 × 0.0 2.5 0 2.5 0.5       0 0.5 1.6 0.6 0.65 × 0.0 0.0 0 0 0.5       0 0.5 1.6 0.6 -0.60 0.65
  4 4 0 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5
6柱
0.0 2.5 0 2.5 0.8 1.6 0.4 1.65 × 0.0 0.0 0 0 0.5       0 0.5 1.6 0.6 -0.60 1.65
  5 4.5 0 × 0.0 0.0 0 0 0.5
6柱
0.0 2.5 0 2.5 0.8 1.6 0.4 0.40 × 0.0 0.0 0 0 0.5       0 0.5 1.6 0.6 -0.60 0.40
  7 5.5 0 × 0.0 0.0 0 0 0.5
6柱
0.0 2.5 0 2.5 0.8 1.6 0.4 0.40 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 0.40
  8 6 0 × 0.0 2.5 0 2.5 0.5
6柱
0.0 2.5 0 2.5 0.8 1.6 0.4 1.65 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 1.65
  9 7 0 × 2.5 2.5 0 0 0.5 × 2.5 2.5 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 -1.60
  10 8 0 2.5 0.0 0 2.5 0.8 2.5 0.0 0 2.5 0.8 1 0.4 3.00 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.0 2.5 0 2.5 0.8 1 0.4 3.00 3.00

下図はX8通りの耐力壁と軸組図を表しています。

X8通り 1階耐力壁
X8通り 2階耐力壁
X8通り軸組図

1階の柱番号10、13、20、25、29,37,41,50を計算します。

1.まず、出隅柱かその他柱か確認します。10と50は出隅柱となります。

2.次に、『A1:1階の当該柱の両側における軸組の壁倍率の差』を確認します。
柱の左右の壁倍率の差なので、13と41は『0』となります。それ以外はは『2.5』となります。

3.面材の耐力壁なので、筋かいの補正値は『0』となります。

4.次に、『A2:2階の当該柱の両側における軸組の壁倍率の差』を確認します。
柱の左右の壁倍率の差なので、13と37と41は『0』となります。それ以外は『2.5』となります。

5.面材の耐力壁なので、筋かいの補正値は『0』となります。

X方向も同じように確認します。

これらの数値を下記の計算式に代入し、計算します。

N≧A1×B1+A2×B2-L

数値をまとめて計算したものが下表になります。

      X方向 Y方向 採用  
柱番号 柱位置 1階 壁倍率       2階 壁倍率           1階 壁倍率       2階 壁倍率           ①②の大きい方  
1   X Y 出隅 補正値 A1 B1 出隅 補正値 A2 B2 L1 L2 N 出隅 補正値 A1 B1 出隅 補正値 A2 B2 L1 L2 N N値 記号
  10 8 0 2.5 0.0 0 2.5 0.8 2.5 0.0 0 2.5 0.8 1 0.4 3.00 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.0 2.5 0 2.5 0.8 1 0.4 3.00 3.00
  13 8 1 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 × 2.5 2.5 0 0 0.5 × 2.5 2.5 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 -1.60
  20 8 2 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5 1.6 0.6 0.90 0.90
  25 8 3 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 × 0.0 2.5 0 2.5 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -0.35 -0.35
  29 8 4 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5 × 0.0 2.5 0 2.5 0.5 1.6 0.6 0.90 0.90
  37 8 5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 × 0.0 2.5 0 2.5 0.5 × 2.5 2.5 0 0 0.5 1.6 0.6 -0.35 -0.35
  41 8 6 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 × 2.5 2.5 0 0 0.5 × 2.5 2.5 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 -1.60
  50 8 7 2.5 0.0 0 2.5 0.8 2.5 0.0 0 2.5 0.8 1 0.4 3.00 2.5 0.0 0 2.5 0.8 2.5 0.0 0 2.5 0.8 1 0.4 3.00 3.00

下図はX0、X5通りの耐力壁と軸組図を表しています。

X0、X5通り 階耐力壁
X0、X5通り 2階耐力壁
X0、X5通り軸組図

1階の柱番号1,11,14,21,26,30,38,42を計算します。

1.まず、出隅柱かその他柱か確認します。1と10は出隅柱となります。

2.次に、『A1:1階の当該柱の両側における軸組の壁倍率の差』を確認します。
柱の左右の壁倍率の差なので、9以外は『2.5』となります。9は『0』となります。

3.面材の耐力壁なので、筋かいの補正値は『0』となります。

4.次に、『A2:2階の当該柱の両側における軸組の壁倍率の差』を確認します。
6の柱は1階の柱と一致しないため、1m以内の1階の柱に2階の柱があるものとして計算します。
柱の左右の壁倍率の差なので、8と9は『0』となります。6と10は『2.5』となります。

5.面材の耐力壁なので、筋かいの補正値は『0』となります。

Y方向も同じように確認します。

これらの数値を下記の計算式に代入し、計算します。

N≧A1×B1+A2×B2-LN≧A1×B1-L

数値をまとめて計算したものが下表になります。

      X方向 Y方向 採用  
柱番号 柱位置 1階 壁倍率       2階 壁倍率           1階 壁倍率       2階 壁倍率           ①②の大きい方  
1   X Y 出隅 補正値 A1 B1 出隅 補正値 A2 B2 L1 L2 N 出隅 補正値 A1 B1 出隅 補正値 A2 B2 L1 L2 N N値 記号
1 1 0 0 0.0 2.5 0 2.5 0.8       0 0.5 1 0.4 1.60 0.0 2.5 0 2.5 0.8       0 0.5 1 0.4 1.60 1.60
  11 0 1 × 0.0 0.0 0 0 0.5       0 0.5 1.6 0.6 -0.60 × 2.5 2.5 0 0 0.5 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -0.60 -0.60
  14 0 2 × 0.0 0.0 0 0 0.5 0.0 2.5 0 2.5 0.8 1.6 0.4 0.40 × 2.5 2.5 0 0 0.5 0.0 2.5 0 2.5 0.8 1.6 0.4 0.40 0.40
  17 4 2 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5 1.6 0.6 -0.35 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 -0.35
  21 0 3 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 × 2.5 2.5 0 0 0.5 × 2.5 2.5 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 -1.60
  26 0 4 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 × 2.5 2.5 0 0 0.5 × 2.5 0.0 0 2.5 0.5 1.6 0.6 -0.35 -0.35
  30 0 5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 × 2.5 2.5 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 -1.60
  38 0 6 × 0.0 0.0 0 0 0.5 × 0.0 0.0 0 0 0.5 1.6 0.6 -1.60 × 2.5 2.5 0 0 0.5 × 0.0 2.5 0 2.5 0.5 1.6 0.6 -0.35 -0.35
  42 0 7 0.0 2.5 0 2.5 0.8 0.0 2.5 0 2.5 0.8 1 0.4 3.00 2.5 0.0 0 2.5 0.8 2.5 0.0 0 2.5 0.8 1 0.4 3.00 3.00

以上、N値計算により接合金物仕様が決定しました。

最後に

今回は、柱頭・柱脚接合部のN値計算について計算しました。

どうだったでしょうか。掛け算や足し算、引き算で計算できますが、上下階や柱の位置によって計算が異なるので少し複雑だったのではないでしょうか。

N値計算により接合金物仕様が決まりましたので、以上で仕様規定の計算は終了とします。

次回は、住宅性能表示について計算します。

タイトルとURLをコピーしました