はじめに
大手の製造業では、総務や経理のように建物を維持管理する部門として建築部門があります。
そこでは、建築の知識を活かして活躍している人が多くいます。
会社によって内容は異なりますが、どんな業務をおこなうか紹介します。
どんな業務なの?
自社の事務所や工場・倉庫を新築したり、古い建物を解体したり、増改築を行います。
そして計画、設計から建築、検査まで一貫して担当できるという点が特徴になります。
基本的には、発注者側の立場で計画や設計がメインになります。
工事自体は、ゼネコンや地元企業にお願いすることになりますが、安全管理や進捗管理、品質管理など一緒に協力して工事を進めることになります。
業務フローとしては、
計画→図面・仕様書作成→見積依頼→見積査定→発注→工事→検査→完了
となります。
計画から設計、現場経験まで全てのスキルを学ぶことができるので、広い知識を得ることができます。
工事が無い時は何をするの?
建設業と違い、営業マンが仕事を取ってくる必要ありませんが、次の工事を計画する必要があります。
例えば、老朽化した建物を取り壊して統合化したり、耐震補強の計画を立てたり、基盤整備として工場内の設備を適正化したりなど計画します。
大きな工場ほど、その仕事は多岐にわたります。小さな工場では、補修や改修の工事計画が多い傾向になります。
その他にも資料をまとめたり、図面を作成したり、計画予算を出したり、色々な仕事があります。
仕事で求められるもの
仕事で求めれれるものとして、4つ紹介します。
・建築、土木などの幅広い知識
建物だけではなく道路や排水水路なども維持管理していく必要があるため、建築の知識と土木の知識が求められます。
その他にも機械工事や電気工事などの設備に関する知識も知っていると計画や工事で役に立ちます。
・コミュニケーション能力
工事では、発注者の立場で施工企業と一緒に仕事を行い、指示・指導を行う必要があります。
また、工事をするために社内の工程調整などを行う必要があるため、コミュニケーションが取れないと段取り良く工事を進めることができません。
・計画能力
どこに建物を建てれば動線が良く、安価で建てれるかなど計画する必要があります。また、工事をするために申請、着工、完工をいつまでにしないといけないか、全体工程を把握する計画能力が必要になります。
事前の計画がきっちりできていないと後でドタバタして良い仕事ができません。
・判断能力
工場での工事では、思わぬ埋設物や干渉物などに出くわすことがあります。
そのたびに安全に作業を行うための決断をしなければなりません。
無理に工事を行うのではなく、安全最優先で作業を行う勇気と度胸も必要になってきます。
工程通りに進まないことがありますが、無理してトラブルを起こすともっと大変なことになります。
最後に
建築出身者が活躍できるニッチな仕事として、製造業の建設部門を紹介しました。
製造業の建設部門は、一級建築士や一級施工管理技士など、多くの有資格者が活躍しています。
製造業の支援部隊として、製造を止めない安全な設備や建物を建設していく重要な立場です。
会社によって異なりますが、自社で設計したり施工管理するわけではなく、設計事務所やゼネコン、地元企業と一緒になって、建設を進める重要な仕事です。
建設業とは違った業界で、建築の知識を役立てて働いてみるのはいかがでしょうか。