はじめに
斜め壁の取り扱いについては、特に決められた規定はありませんが『木造軸組み工法住宅の許容応力度設計』((公財)日本住宅・木材技術センター刊)に許容応力度計算を行う上での取り扱いが記載されているので、ここでは準用して取り扱うものとします。
↓この本も参考にしています。
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斜め壁の壁量計算
壁量計算の基本は、X方向とY方向の座標上で、水平力に抵抗するものとして考えます。
実際には、地震力や風圧力がX方向やY方向に平行するとは限らないが、斜め壁をX方向とY方向に分解して抵抗するものとして計算します。
それでは計算してみましょう。
下図のX3-X5、Y0-Y2に有効長さLの斜め壁が存在するとします。
有効長さLの斜め壁をX方向とY方向に分解します。
ステップ1:斜め壁のなす角度θに応じて、X方向とY方向に分解する
ステップ2:分解したX方向とY方向の長さを元の有効長さに当てはめます
【ステップ2】の桃色部分がY方向の存在壁量とみなします。
【ステップ2】の緑部分がX方向の存在壁量とみなします。
N値計算
斜め壁の端部は出隅柱として計算を行います。
θ=45度の場合、X・Y方向ともN値計算に算入します。
θ<45度の場合、Y方向のみN値計算に算入します。
θ>45度の場合、X方向のみN値計算に算入します。
最後に
今回は斜め壁の壁量計算について計算しました。
ここでは、許容応力度計算の取り扱いを準用して考え方を参考に取り扱っていますが、最終的には建築主事等の判断によることになるので、留意してください。
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