はじめに
2025年4月から小規模の木造建築物の壁量(令第46条関連)・柱の小径(令第43条関連)の基準が変わります。
ポイントとして
①壁量基準の見直し
②柱の小径の基準の見直し
③基礎の基準の見直し
が改正のポイントとなります。
それでは内容を見ていきましょう。
壁量基準の見直し
必要壁量
「軽い屋根」「重い屋根」の区分に応じて必要壁量を算定していましたが、 建築物の荷重の実態に応じて、必要壁量を算定します。
算定方法は、3つ
○早見表(必要壁量を容易に把握できる試算例)
○表計算ツール(諸元を入力することで、必要壁量を容易に算定)
○算定式により、必要壁量を算定
試算例(早見表)、表計算ツールは日本住宅・木材技術センターHPにおいて公開しています。
URL:https://www.howtec.or.jp/publics/index/411/
準耐力壁等
存在壁量に準耐力壁等の算入が可能となります。
設計者の判断で、準耐力壁等を含めるか・含めないかを決めることができます。
※引用元:国土交通省
壁倍率の上限
耐力壁の上限倍率が5倍➡7倍に変更となります。
四分割法または偏心率の計算においては、倍率7倍及び実態上の倍率の両方を用いて いずれも基準を満たすことを確認する必要があります。
N値計算は、実態上の倍率のみを用いて検証を行う必要があります。
つまり、
○耐力壁 :上限倍率7倍
○四分割法:上限倍率7倍 and 実態倍率
○偏心率 :上限倍率7倍 and 実態倍率
○N値計算 :実態倍率
で計算する。
参考文献:国土交通省 建築基準法施工令の一部を改正する政令及び構造関係告示の改正について
柱の小径の基準の見直し
柱の小径
「軽い屋根」「重い屋根」の区分に応じて柱の小径を算定していましたが、 仕様の実況に応じた柱の小径を算定します。
算定方法は、3つ
○早見表(柱の小径を容易に把握できる試算例)
○表計算ツール(諸元を入力することで、柱の小径や柱の負担可能面積を容易に算定)
○算定式により、柱の小径を算定
試算例(早見表)、表計算ツールは日本住宅・木材技術センターHPにおいて公開しています。
URL:https://www.howtec.or.jp/publics/index/411/
表計算ツール
表計算ツールは3つの中から算定方法を選択します。
※引用元:国土交通省 説明資料
基礎の基準の見直し
無筋コンクリート基礎を廃止し、地盤の種別に関わらず、鉄筋コンクリートの基礎を用いることとする。
※引用元:国土交通省 説明資料
まとめ
2025年4月から小規模の木造建築物の壁量(令第46条関連)・柱の小径(令第43条関連)の基準が変わります。
特に、木造2階建て300㎡以下は仕様規定(壁量計算)の検討を確認申請で審査されるため、基準を間違えないように計算しましょう。
時間も費用も増えますが、難しい内容ではないので今から学んで行きましょう。
仕様規定の計算とは、木造の場合は壁量計算、四分割法になります。
また、「ただし書き計算」と呼ばれる計算には偏心率計算、N値計算があります。